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Wall Surrounded Journal

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11/9日本には訪れない変革

オバマ大統領が誕生した。彼の抜群の演説が擁する力強さは、合衆国人民に対し平等に語りかけられた。
メディアはブッシュ政権の「失策」を政権交代の最大の原因と報じた。

その「失策」が、一定の意味での終焉を迎えた今、私達を覆い続けているのはただ1つ「不安」である。




日本人からすれば迷惑な話という人も多い。

思えば世界を勝手に戦争に巻き込み、金融の急拡大と急収縮の両方に市場を導いたのは紛れもないアメリカであって、日本の、とりわけ個人には何ら関係の話である。
言ってみれば派手に空中ショーをやっていた戦闘機が進路を地面に向けてきている…というように、観客はもちろん、その場にいたというだけで甚大な被害を被る可能性もあるという、一般人からしてみれば非常に心外極まりない状況である。
しかしながら、そんなブッシュが同じアメリカ人に再び選ばれたからこそ空中ショーを開催出来たという事実を忘れてはいけないし、我々も郵政選挙という下らない空中ショーを見ておきながらあの純一郎さんを選んだから現状があるということへの反省も必要である。



そうはいっても、米の前政権が異常であったということは確かであり、オバマさんはそれを修復するためにそれまでからすれば異常な舵取りを行わなければならないのである。


では、この4年間、何が異常だったのだろうか?
私はこの期間「アメリカ側の価値観の世界への押し付け」が顕著だったのでは、と振り返る。



911、同時多発テロ、戦いの相手をテロ集団ではなく「ならず者国家」や「悪の枢軸」とし、世界を終わりも利益もない戦争へと導き、「テロとの戦い」というどう考えても不毛な戦いに勝手に価値を見出し、世界にその価値観を押し付けた。

金融においては経済が拡大を続けるという前提のもとに、その前提において家を買うなどもってのほかのレベルの個人にローンを組ませ、また今にも潰れる会社の社債を買い、それらのデフォルトリスクを分散させ、さも無かったように帳簿から消し去り、世界から空中ショーへの参加者を募った。
残されたのは夢の空中ショーからふと醒め、現実という名の地表面が視界いっぱいに広がった無数のパイロットと、観客と無関係の住民であった。



価値観が創出され、それが権威に認められ、人々がその価値観を信じ、または押し付けられ…その繰り返しが不安創出のスパイラルだった。

そこに現れた、「演説が抜群に上手いというだけで民衆は結局これから何をするのか殆ど知らない人」はまた同じように「アメリカの価値観」を創出し、押し付けるのだろうか。
そうなったとき、結局またあの民衆はそこに同調するのか、またそのとき日本は独自の価値観を擁することが出来るのか。


今のように日米同盟の行方を相も変わらず相手国に尋ねているこの国に「CHANGE」は訪れないのは自明だ。