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Wall Surrounded Journal

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12/15 これは恐慌ではなく、「恐慌前夜」…いま、私たちがすべきこと

 Amazonレヴューを見て購入、先週読んだ本はこれだった。

●恐慌前夜
副島 隆彦
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4396613148?ie=UTF8&tag=finap-22&link_code=as3&camp=767&creative=3999&creativeASIN=4396613148


 1ドル=80円台も2年以内に…という彼の「予言」は発刊からわずか3ヵ月でその具体像を現した。


●円急騰、一時13年ぶりの88円台=東証は急落、終値484円安
時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081212-00000202-jij-bus_all


 ケータイに届く日経ニュースの[号外]を見ても何も驚かなかった自分に、今では驚いている。
ビッグ3救済のメドが立ち、先週は株価もかなり持ち直してきていた。だが、金曜日、その逆のことが起きた。ドルへの信認は更に奪われる格好となった。それはドル=ユーロのレートでも如実に表れている(http://www.forexchannel.net/realtime_chart/eurusd.htm)。今や世界がビッグ3がどうなるかについて目を見張っているし、頭を抱えていることだろう。

 しかし、我々やメディアは重大なことに目をそらして、あるいはそらされていないだろうか。先ほど述べた「ビッグ3がどうなるか」は事の本質ではないのである。それらが資金繰りがつかず倒れる「可能性が高まった」だけでドルは13年以上も前の水準の安さとなり、日経平均も再び8000円割れをうかがう展開となったのである。その「事」が起きればいったいどうなってしまうのだろうか。冒頭の著書ではアメリカそのものの破綻シナリオがつづられている。アメリカはそれを現実のものとしたくないために数々のルール違反…というよりも自分たちが作り上げたルール(ex:時価ルールの国際会計基準化)の破壊を行っていたが、それは単なる先送りに過ぎないのかもしれない。そして、その作り上げられたルールをグローバリズム、自由経済の名のもとに不況下の日本に振りかざしておいて、自分たちが不況というハリケーンの下に入ってしまえば堂々とルールを変えてしまったという意味において彼が著書で行った力のこもった指摘「日本よ、怒れ!」には私も思わず読みながら熱くなった。
 ただ、彼の言うことすべてを鵜呑みにするわけにはいかない。若年ながら私も銀行員として、彼の言うことの極端さ、また重要な場面でのソースの弱さには複雑な気持ちになった。あくまでも、多くいる「景気はそのうちアメリカ主導で持ち直す」論者への対抗した現状分析として彼の著書を読めば今回の危機に対しての思慮が深まって良いと思います。かなりの人が「恐慌前夜」を読まれていて、実際に彼が言い当てている「予言」も少なくない以上、読む価値はあると思います。


 結局のところ、彼はサブプライムを問題たらしめた「金融工学」そのものを「罠」と呼び、諸悪の根源のように扱い、"Big Lies"としたのだが、それだけでは何の意味もない。今日の株価、為替だけでなく、穀物の値段や先物の価格付けまでを可能としているのはすべてその「金融工学」のおかげであって、今後もそれが研究対象とならなくなるということはまずあり得ないからである。非常に先物が悪者にされているが、以前述べたように先物があってこそ安心して商品取引を行える企業は非常に多い。理由は将来受け渡しが行われる品物を、将来の価格が何であれ、それを合理的な予想価格で「いま」買える、もしくは売れるからである。詳しくは以前の記事を参照ください(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=679701617&owner_id=8328004)。


 いま認識しなければならない問題はたとえばCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)のような爆弾―識者の中には核爆弾とさえ言う人も―たちである。つまりは、金融工学を悪用、もしくは自分たちに都合のいいように利用した結果生み出された金融派生商品(核爆弾)が、まだまだ処理されていないのである。しかもこれを抱えたまま経済がもとの状況を取り戻すことはない。その理由はCDSの保険者(例えばAIG)が潰れた企業の発行した紙くずとなった社債等の損失補てんをしなければならないというCDSの特性にある。ジャンジャン増やしまくった好景気下での「どうせ潰れないから保険料丸儲けじゃ〜ん」状態からこの不況への転落。「どうせ潰れない」は吹き飛ばされ、損失補てんは現実のものとなってきている。そしてこうした金融派生商品はあちこちで買われている。CDSについてはウィキペディアなどで概要くらい見ておいても損はしないかと(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%97)。


 それではタイトルの後半部分へ。
「いま、私たちがすべきこと」は何なのか。著者は「質への逃避」の「質」さえも信じきれなくなった末の金(gold、金本位制の根本)や日本の技術があるのに海外投資家に売られて安くなったゼネコン株、中国の水処理需要の拡大を見越した水関連企業株などへ投資を振り向けるように指導している。

 私はもう1度、サブプライム問題と同等のクラスのたとえばCDS問題のような大きなショックがもう1度来ると予想している。何故ならばそれはいつか解消されるべきものであるからだ。どうして解消さるべきか。それはこの問題は解消されない限りは不況が訪れるたびに必然的に蒸し返され続けるからだ。景気が波である以上「常に好況」はあり得ない。何度も蒸し返される。つまり、核爆弾は爆発してしまう。その核爆弾は1国(いやそれ以上かもしれないが)を吹き飛ばす威力を持っているからその衝撃はすさまじいだろう。だが、これは何らかのカタチで爆発させねばならないと思う。でなければ「本当の解決」にならないからだ。「解決のための恐慌」が来たとしても何らおかしくはない。それだけのことがされてきてしまったのだから。


 だったら、何をすべきか。それはその時まで貯金し続けることである。爆発してまたすべてが暴落する世界となるまでお金を貯め続けるのである。逆に貨幣の価値は上がる。そこで貯蓄を投資へ振り向ける。
 結局、世界が人口爆発という状況になるのならばそれを超すスピードの技術革新がない限り食糧やモノは取り合いとなり、値段は上がる。資源もエネルギーも然りだ。だったらもう1度来る(と勝手に予想している)暴落ポイントは最大の買い時である。インフレが予想され、預金も必ず守られるものでない以上、投資は必要である。だが、今がその最大の好機だとは、私には思えない。今は投資に必要な資金と知識を、貯め続ける時期にあると私は考える。


 核爆弾はもう陽の目にさらされている。焦る必要もあるかもしれない。