Wall Surrounded Journal

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今だからこそ、みんなに聞きたいこと。 − 「希望」の対象を何にするか

以下の順番で読んで欲しい2つの記事がある。


エントリ1
「海外で勉強して働こう」 - On Off and Beyond
http://www.chikawatanabe.com/blog/2009/04/future_of_japan.html


エントリ2
「国内で協力して助け合おう」 - Kousyoublog
http://kousyoublog.jp/?eid=2222



上の2つのエントリは、主張こそ相違するものの、前提とする価値観は同じである。
それは残念ながら、「日本はもう立ち直れないと思う」という衝撃的なものである。


その理由は上記1から見ていくと語られている。
シリコンバレーという技術革新の震源地で働いてきた1人の女性が「率直に」感じていることなのだ。そこで、

「海外で勉強してそのまま海外で働く道を真剣に考えてみて欲しい。」

と。提案をしている。



私はこれを読んだ瞬間、自分の持っている「何となく心の中にあるモヤっとしたもの」を文章にされた感がしてならなかった。

案の定、読者の反応は大きかった。



2はその反響の大きかったエントリ1を受けて書かれている。「日本はもう立ち直れない」という価値観こそ共有すれども、本人の述べる通り「でも、海外に出ようとはおもわない。」という部分が異なる。

彼が大事にするキーワードは「協力して助け合おう」だ。


日本が戦後進んできた道、それはいわば「共同体からの離脱」の歴史であるといえるかもしれない。
村や地域をはじめ、都心部を中心に家庭という共同体としての最小単位までもが揺らぎつつある日本。

そんな日本で彼が求めていくのは「広く柔らかく繋がった『緩やかな紐帯』の構築」らしい。

 「緩やかに繋がりあっているのだけど、何か必要に応じてアドホック(非恒常的)に協力しあい、結びつき、そしてほどけていく。そのような関係の構築」、それをノットワーキング(Knotworking)と呼ぶようで、それを目指したいというのだ。
 
 「会社やコミュニティの枠だけに時間を費やさず、組織や共同体の枠を超えて繋がりあ」い、「ゆるやかに繋がり合いながら、何か事があれば必要に応じて結びつき、助け合い、何事かが終わればまた緩やかな紐帯の状態へと戻っていく」。

 そんな関係構築を国内組(1とは違って海外に出ない人たち)で形成していくことによって会社やその他コミュニティから生み出される閉塞感を解消するのがその目的のようだ。




 私は少しずつ1の立場に近づいていきたいと考えているが、結局増すばかりの閉塞感を日本国そのものが脱するには、それぞれの個人が上のお二方のいずれかのアプローチを取って、意識的に動く必要があるのではと思っている。



 ―だからこそ、聞きたい。



 あなたは、冒頭のエントリを読んで、同じような危機感を感じませんでしたか?

また、

 もし感じられるのであれば、今後どういう立場を取っていきたいですか?


 と。


 「逃げ切れない」世代である我々としては今、この質問の答えについて考えておくと非常にいいかもしれない。なぜなら日本はこれからも失われた30年や40年を続けるかもしれないし、そうでないにしても成長路線はまず現時点では期待できない。

 そうなれば、閉塞感は強まる。それを脱す方法もある。
 だが、その「方法」が必要なときに、あなたはそれに十分なキャリアを持っていない可能性があるからだ。


 こうした想定をすることは個人的には「突飛なものではない」と考えている。




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「日本に留まりたかったら、一度は留学しておくべき」 - 404 Blog Not Found
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51206791.html