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Wall Surrounded Journal

http://twitter.com/call_me_nots

今週のサザエさん(09.11.22放映分) カツオ、花園行きを手にする篇

さて、前回はまたさんのマネをしてまたさんに一時のさよならを告げたわけですが、ありがたいことに

f:id:call_me_nots:20091125014927j:image

みたいなところに☆をいただいたり、前回のエントリに多くのブックマークをいただいたり、これは怒られるまで続けてみようかな、という気になってしまったのでとりあえずもう1度やってみます。

ただ、さすがにまたid:matasaburoさんのマネをするわけにもいきませんので、Asahiのoffでも飲みながら現実世界からのアクセスを85%オフにして自分のやり方を模索してみようと思います。

感想をいただけると励みになりますが、あらかじめ言っておきますね。下品な内容は含みそうです。


・・・と、レビューに入る前に、以後私が捉えている各キャラクターのイメージを明確にしておく必要がありそうです。



  • 磯野カツオ

このアニメの主人公にして現役テロリスト、友人がアルカイダとの噂も。
基本的に日常は資金獲得作戦に動くことが多く、支出は限定的である。これは、現状こうした勢力に資金が回りにくい国際情勢をある意味反映しているとの見方が強い。
10円20円のために犠牲を払い、任務遂行のためには自分の評価を落とすことも厭わない。
一説には某不動産会社との関係を国防総省の年次報告書内で指摘されており、国際社会の監視は今後さらに高まっていくもとの思われる。
なお、Wikipedia*1における「声:大山のぶ代(1969.10〜1969.12)」との記述について、その2ヶ月で降板というのはいろんな意味でドライな扱いだな、と思った。

  • フグ田サザエ

前総理大臣と同じ出身地を持つ女性活動家。
著書「ラディカルは何を排したか」では俵孝太郎と壮絶なバトルを演じた。
最近でも同じCX系列の番組である「とんねるずのみなさんのおかげでした」内の企画である「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権Episode 11」にて準優勝をおさめるなど、元来より人前でのパフォーマンスを得意とする。
家族内にテロリストがいることを他の家族の中で唯一把握しており、日々その行動を監視している。
作中でも高度な監視能力にまつわる描写が多く見受けられる。
Wikipediaに肌年齢が記載されていることで、本作品の年代設定がよく分からなくなった。

  • フグ田マスオ

六大学野球出身の会社員。
人受けのよいキャラクターかと思いきや、作中ではギャンブル癖を指摘されている。
この設定についてグレーゾーン廃止以後の法律事務所・司法書士事務所のCMが増えたこととの関連を指摘する者も少なくない。
Wikipediaでは「お中元の箱を振っただけで中身を見抜くという特技を持つ」との記述に[要出展]タグをつけたい!

基本的に良い子。
WikipediaではなぜかNHKのアナウンスの教科書のような記述があり、読み手を錯乱させている。

  • フグ田タラオ

テロリストの後継候補。日々、指導を受けている。
女友達に香山リカがいるためかアンチカツマー
Wikipediaによれば原作での初登場の予告では「タラちゃんという女の子」と紹介されていたらしく、当時から時代を先取りしていたらしい。

  • 磯野波平

テロリストを隔離する第2の監視機関。
しかし、当人はカツオをテロリストとする認識はない。
時代を逆行させるような主義・主張からサザエに非難される傾向にあるも、そこは譲らない。
その点は、時の流れに関して「Back Come On!」と叫ぶ様子にもみられる。
Wikipediaには「正月に吉田茂から間違い電話が来たことがある。」との記述があり、これは明石屋サンタや小渕恵三に影響を与えた可能性がある。

  • 磯野フネ

吉永小百合に対抗心を燃やし、日本郵船のキャンギャルを勤めている。
本人よりも声優の健康を危惧する声が多い。
Wikipediaではよほど書くことがないため、原作のキャラクターについての記述が目立つ。

  • タマ

AflacのCMに出演中。
Wikipediaでは船場吉兆を髣髴とさせる「使い回し」という単語がさりげなく使われているが、これは機密事項である。



基本的に以上のメンバーと愉快な仲間たちを通して日本の近現代を「主張」する番組と認識しております。


サザエさん

長谷川町子『サザエさん』を原作とするテレビアニメ。
放送は1969年10月5日からフジテレビで始まり、同局系列のアニメの長寿番組、そして平均視聴率が20%前後という非常に高い部類に属する国民的な番組として現在も続いている。
週1回の固定放送枠を持つアニメ番組では世界一の長寿番組とも言われる。

しかしそのためか、近年になって雑誌等では「マンネリ化の一途」と揶揄され、視聴者からも「見ると鬱になる」などの指摘を受けてプロデューサーを変更、「シニカル政治系アニメ」と銘打って再構築。人気回復に至る。

ここではそうしたサザエさん一家がシニカルかつポップに切り取る日本の表象・裏事情を「この演出にはどういった作者の意図が込められているのか」を読み取ろうとする者たちが集い、議論する。

カツオ、秘密の花園

時は1990年−。
場所は東京都世田谷区桜新町あさひが丘3丁目。
人生2度目のモテ期が訪れるとの占いに「本当かなぁ」と懐疑的なテロリストが突如女学院へと転校になり…というストーリーを期待した方がいらっしゃるならば、まず謝罪から入るべきかもしれない。

タイトルとは裏腹に、本作冒頭では未だ陰謀論が囁かれる9・11についてストーリーを展開する。
「神」の飛行機が他人の家(=飛行禁止区域)に飛んでいくシーンを多用することで、テロリズムの現場をこれまでに稀有であった視点から取り上げ、最終的にその飛行機の行き着く先が1つの「花園」であったのではないかという指摘を行っている。
この「花園」についての解釈は読者に丸投げであったのだが、個人的にはここにパレスチナ問題への批判も盛り込まれているものと推測する。

また、この話ではカツオが竹馬に乗り過ぎることを批判した波平が、自身も他人に見えない場所で竹馬に乗った挙句に負傷するというシーンがあり、周囲の人物も「他人にバレないように竹馬に乗る」ことを繰り返し、同じような失敗をしていた。
これはセグウェイに対する日本人の反応と同一視できよう。他人が批判するものに乗ることで、他人よりも高い視野を得ることが出来るのだというカツオの主張は、それを否定する既得権者への抵抗とみなすことも出来よう。
カツオはこれ以降も改革路線を貫いていくものと思われる。この方針と保守派および急進派がどう歩み寄り、どう排他するのかは今後のストーリーの軸となりそうで期待大だ。

番組をご覧になられていない方は、「すてきな奥様」を読めば少しは本作の様子が分かるかもしれない。



マスオ、絵画の腕前

この回はフジサンケイグループ*2の「主張」が目白押しの回であったことに関してはもはや疑いようがない。
まず、個人的には意外であったマスオに絵の才能があったという設定は置いておくとして、彼がある日、サザエをモデルに絵を描いている。
サザエにモデルの役割を求めた理由を「他に委託すると高くつくから」と説明したことにサザエが怒り心頭となったが、これは政府がデフレを発表したことを受けてのフジサンケイの怒りを意味しているものと捉えることが出来よう。
つまり、その状況を宣言しておきながら、サザエ(≒デフレ)にフォローを入れられないマスオ(≒鳩山政権または菅副総理)を非難するものである。

この後もまったく関係のない文脈で「かぶ」や「貯金箱*3」などがサブリミナルに登場してくるのも、この見方を裏付ける。
さらに、この状況で突如マスオとカツオが結託するというシーンが描かれるの。
これは文脈から解するに、政府と日銀のアコードを要求するかのような描写であったともいえるだろう。
このようなリフレ派を活気付けさせるようなシーンまであったのは、個人的には少しやりすぎではないかと思った。

そしてオチではマスオが「絵画は完成して初めて描かれたものが何か分かる」という、らしくない名言チックなものをつぶやく。
ここから製作陣がFNNと産経新聞社の合同世論調査で事業仕分けの評価が高かったことを受けて、未来への投資なき「仕分け」が作る将来への危惧を強めていることも分かる。
かなり密度の濃い回であった。



ノリスケは工事中

いよいよサザエさんは公共工事にまで踏み込む。

・・・かと思いきや冒頭でいきなりノリスケがイササカ先生の原稿をタクシー内に置き忘れ、次に乗った客がそれを持ち去るという事件が発生。
これは直近のアリコやUFJ証券への痛烈な批判であろうが、イササカ氏は旅行先から珍しくこんなときに限って「原稿どうだった?」と読む前に紛失した情報資産の内容を尋ね、さらに追い打ちをかけてくる。ノリスケが公務員だったら「なぜPDFでくれなかったんですかぁぁ」とでも心の叫びが聞こえてきただろう。
精神的にも追い詰められたノリスケはついにタイコに「職を失う危機」を打ち明ける。職を失えば即ちすべり台人生が待つという湯浅誠の言葉が、ここでも重くのしかかるのだ。

するとここで、タイコは「あなたは優秀だから大丈夫」と全米泣かせの思ってもみなかった返事をする。
しかし、往年のブルース・ウィリスファンならばこんなグッド・エンドが急に訪れたら次には何が待つかはもう分かっている。
磯野家のリークにより、事態はついに警察沙汰となる。

これにてジ・エンド。

かと思いきや、なんとこの間に原稿を持ち去った人物がなんと、中身をじっくり読んだ挙句に”磯野家”に持ち込んでハッピーエンドとなるのである。そういえば、「カイジ」が絶賛公開中であることを忘れていたことを思い出した。
いや、どう考えてもこれハッピーじゃねーだろ。

そんな私の心とは裏腹に、オチではノリスケが他人の落ち度を指摘するにあたって「エチケットを重んじると言い方が難しい」という、勝間和代からはおおよそ出てこないと思われるフレーズを吐いて終了。おいこれオチかよ。
これにはさすがに我々もタマの当日の登場がたった1度であったことを忘れるくらいの急展開にあっけにとられてしまった。




それでは、最後に3番目のオチが全く理解できなかったことを記念してサザエさんを見るコツを、お節介ながら1つの私見を以下に示そう。
それは、「オチは3話に1度理解できれば十分」ということである。それは過去20週の私のデータをご覧いただければ分かる。

全作品数:60 
オチが理解できた作品数:21 
(*11/15の実写版を除く / 博報堂HD調べ)


当然、これは私のキャパが足りてないのかもしれないのであるが、周囲の声を聞く限りでは「そんなに(3話に1話の割合と)多くはない」との声も多く寄せられている。
ただ、1/3の純情なオチ読みに終始すれば、2/3を捨てゲーにすることが出来る。これはただでさえ月曜日を前にして奪われがちな集中力を維持する上で重要なことに思える。

*1:以後、このくだりはhttp://bit.ly/8nRhgを参照にされたし。

*2:勘違いされるんですけど、私は産経嫌いではありません。Web版で1次ソースをよく載せてたときとか、リアルにありがたがってましたし。ただ、残念なことに「下野なう」以降あんまり見ないんだけども。

*3:デフレの継続は富の上方への移転、つまり資産価値および債務の実質的拡大への批判であろう