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Wall Surrounded Journal

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「究極」の電子マネー社会

先日書いた「1円玉の旅の終わり」という記事にはありがいことに多くのコメントや感想をいただいた。今回はその関連エントリとなる。

国内でもiPadが登場。Kindleだって端末でなくプラットフォームで生きる道は確保するのでしょう。
自炊や
書籍のPDF化を加速させるようなサービスが加速し始めています。
…とまぁ、電子書籍の話題が目立ちますが、ボクが本当にワクワクするのはマネーの電子化だったりする。

SUICAやWebマネーはまだ序章に踏み入った程度だ。本稿では、通貨の究極の電子化を模索するのだ。
どう?ワクワクするでしょう?


第1ステップ:アカウントからウォレットへ


なぜそれらが序章に踏み入った程度のものか。
それはそれら単体だけで生活するのがまだまだ困難だからだ。

究極の電子マネー(以降、便宜上eMと書く)社会では、キャッシュの使用領域と、eMの使用領域は変わらない。
その社会ではあなたは銀行口座ではなく、(ひょっとしたら個人情報やID機能を具備した)ウォレットを最重要な生活ツールとして生きるのだろう。


ウォレットを持つことで、通貨の流通速度はさらに速くなる。
もしもあなたがアパートの管理人なら、電子契約を根拠に、決まった日に、自動的に家賃分のeMが借主のウォレットからあなたのウォレットに移転される。
これは現状でも
電子手形があるので、ウォレット化が進めばすぐに整いそうだ。

新しい電化製品を買おうと思ったときに、あなたはeMが足りないことに気づく。あ、そういえばウォレットに紐つけておいた生命保険があったな!
その解約返戻金額の80%までは買い物出来る、みたいな特約があるかもしれない。

新聞記事だって、ページビューやソーシャルブックマーク数などで値段が決まって単価売り出来るかもしれない。
「銭」という通貨単位に準じたものが必要になりそうですね。

アルファブロガーが何だか面白そうなプロジェクトをブログで展開すると瞬く間に全国から資金が集まるかもしれない。
割賦でモノを買う場合、瞬時に将来のキャッシュフローが示されるアプリケーションだって登場するかもしれない。


まだまだこんなもんじゃない、ATMが貨幣とeMの交換場所にしかならなくなるならば、もっと面白いことが考えられるし、もっともっとチャンスは広がることになるだろう。


ステップ2:基軸通貨電子マネー


もう刷って使って困ったら擬似デフォルトと、何でもありのドル機軸体制はうんざりだ!という方に朗報だ。
eMが世界中に普及したら一体どうなるだろうか。

世界的に承認されているようなeMならば、あなたは為替リスクに左右されることなく海外のモノを買い入れたり、その逆も出来るようになるかもしれない。
eMのポイントで送金すればよいのだ。これは特に売る方にはありがたい。


すると、ここでも調整が起きる。

各国の国債の価格は為替の差を反映しなくなる。あなたは国内の社債を買うように他国の公社債を物色するだろう。
先日登場した3年もの0.19%の個人向け国債などどこ吹く風。
為替の影響は、投資家が裁定を奪おうとするにつれ限定的になるだろう。


―電子通貨本位制だ。

SDRなんかもうどうでもよくなった。
世界全体のeMの量には限界がある。貨幣の場合にはそうでない。
eMの世界では、各地の経済政策運営はより自律的になる(つまり、こ
のままいけば基本的にはスローになる)。

そしてeMで給与を受け取るようなことまで起きれば、為替レートなんか知らない国際人が誕生しているかもしれない。

実質労働単価の国際比較が容易になるだろう。
人の流れはさらにドラスティックになるかもしれない。
似た内容の仕事で実質賃金に差があるならば、あなたの職を求める範囲は一気に拡大するだろう。


第3ステップ:電子マネーの政治


さらに深化すると、いよいよ各国のeMの量の偏在が政治的・外交的にクローズアップされるようになる。
そのころはG25だかG180だか分からないが、やれ「お前の国は世界のeMの何%を持ってるくせに輸入しなさすぎだ」とか他国に言われるわけだ。それを理由に戦争だって起こるかもしれない。

また、中央銀行の政策が瞬時にその国の「貨幣とeMとの交換比率」に影響を及ぼすようになるだろう。
すると、金融政策の効果は今よりも限定的になる(究極的なeM社会ではそもそもの金融政策が存在しないのはご留意を)。

先程も書いたように、各地の景気対策はより自律的にならざるを得ないだろう。それを加速させるメカニズムのキーは人口動態になるかもしれない。

とまぁ、このステップまで完結することは現実的には有り得ないが、電子マネー社会は個人のチャレンジを更に容易にすることは間違いないだろう。

しかし何も阻害するルールがない、究極の電子マネー社会では、すべての金利は極めて自然に決まる。
そのとき、あなたはその金利に左右されるように育ち、生活の地に悩み、仕事をし、利子を生み出して自他を養うだろう。

おっと、単なる妄想はここまで。
Suicaをチャージしておかなきゃいけなかったのを忘れておりました。
それでは、また来週お会いしましょう。



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