Wall Surrounded Journal

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FARTS make bubbles.

水道水500mlに100円も出すとかバカだろ」という増田のエントリーが面白かった。

このエントリのメインを飾るのは「屁」である。
と表現したところで話は進まないので、簡単に説明しておくと、「屁」すなわちFARTSとはForced ARTificial Scarcityのことで、これは直訳すると強制人工欠乏というか単語だけでは全く意味が分からないものになるが、その意味としては以下を見ていただければある程度分かってもらえると期待してリンク先から引用する。

俺のパソコンなんてもっとやばいぞ。Windows 7をインストールしてあるんだけど、新品のHDDだったんで入れたのは200ドルのフルインストール版だ。アップグレード版は100ドルなんだけど、ちなみにどっちもディスクの中に入ってるデータは実は全くの一緒。安い方はただ前のバージョンがインストールされてるかどうかが分かる機能があって、無ければインストールさせてくれない仕様なだけ。

パソコンを新調する事になったら、今インテルがテストマーケティングしてる新しいプロセッサを入れるかもしれない。で、そのプロセッサ、一部の機能が事前に意図的にブロックされてる。何故かと言うと、そのブロックされた機能が使えるようになる「アップグレードカード」を50ドルで売りつけるためだ。

連中は俺達を虚無に対して金を支払うよう教育してて、俺達はずっとそれに従ってきた。お前の机の上にだって「屁」があるだろ?


つまり、ここでの”前のバージョンがインストールされてるかどうかが分かる機能”や”ブロックされた機能が使えるようになる「アップグレードカード」”がFARTSってことだ。
これで意味が分からなければ、冒頭のリンク先を一読するか、CtrlとF4の同時押しをオススメする。


さて、Amazon.comは「電子書籍の貸し借り」なんてものを始めた。
たしかに、通常の書籍に貸し借りが出来て、電子書籍にそれが出来ないって言うんじゃあ電子書籍のプライスはそれを織り込ま無きゃいけない。
しかし、冒頭のリンク先からすれば、そのシステムだってFARTSってわけだ。


●電子書籍の貸し借り可能に アマゾンが新サービス (日経)
2010/10/23 10:12
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959CE0E1E2E3908DE0E1E3E2E0E2E3E2E2E2E2E2E2E2

 米アマゾン・ドット・コムは22日、電子書籍端末「キンドル」向けに販売したコンテンツを、購入者が友人などに貸すことができるようにすると発表した。年内に新サービスを始める。紙の本では友人らとの貸し借りが一般的なため、電子書籍でも同様のサービスを追加することで利便性を高める。

 電子書籍端末のほか、キンドルに対応したソフトを組み込んだパソコンや高機能携帯電話(スマートフォン)などとの間でも貸し借りができるようになる。コンテンツを貸すことができる期間は14日間で、その間は購入者自身はそのコンテンツの閲覧ができなくなる。


どうだ。
「貸すことができる期間は14日間」で、「その間は購入者自身はそのコンテンツの閲覧ができなくなる」わけだ。
立派なFARTSだろう。

これが出来るってことは確かに古本市場だって技術的には可能だが、実質的にはまだまだ多くの出版社はそれを許してはくれないだろう。
だが、そいつらもFARTSだ。

そして、オレがここから思いつくビジネスの欠片も、まずFARTS basedだ。


えっ、保護貿易?
それは25世紀にはきっと呼び名を変えているだろうね。
そんじゃ、また気分が良くなったら近いうちにこれに続きを書くよ。


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