Wall Surrounded Journal

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中国の銀行が日本で住宅ローンやるかもみたいな話

先日、中国のこれまでの金融改革をまとめたが、そこでも述べたような一部の中国の銀行が日本市場で住宅ローン事業に乗り出そうとしているようだ。

これまでも外資が日本国内の住宅ローン市場に手を出した例はあれど、本件はそのときのスキームとは違う可能性もある。

ご存知の通り、インフレ圧力・住宅バブル対策と成長の維持・加速の間での戦いが厳しくなる2011年の中国において政府は、昨年よりも新規の銀行貸出を抑える方向で動くものと思われる。*1
金利市場や為替の改革を求める声も高まりつつはあるが、実際にどこまで政府が動くのかは未知数な上に、銀監会も大手行の資本規制強化を検討している。
これは余談だが、政府には各銀行に個別に金融政策設定を調整する方針まであるらしい。

そうした環境下に加え、海外事業が比較的好調な銀行も出てくる中で、新規市場開拓ニーズは高まってきているものと思われる。


さて、日本国内の住宅ローンをとりまく環境といえば借換需要も大分前に一段落した地域が多く、高競争・低利鞘傾向も絶賛継続中。ここに正面切って新たに飛び込むうまみはかなり薄い。

これまでの外資は提携を結んだ国内地銀が審査で落とした顧客、いわばサブプライムな方々へ貸し出すスキーム作りなどを行っていたようだが、果たしてどう出てくるか。


日本国内で住宅ローン審査業務等を経験した人材を求めているようであり、また、以前から中国の銀行においては邦銀の与信技術を入手したいというニーズもあると聞く。
住宅ローン業務の日本市場での展開は、そもそものプロジェクト策定もこれからという状況のようだが、個人的にはどういう商品が出てくるか気になるところだ。


近代中国と銀行の誕生―金融恐慌、日中戦争、そして社会主義へ

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*1:2010年:約8兆元→2011年は7兆元前後?